Artglorieux アールグロリュー

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Exhibitions
  予告

新しい日本画 ―Japanese Modern―
12月18日(木)~12月24日(水)

中西瑛理香「まだかえりたくない」
65.2×65.2×2.5cm
麻紙、洋金箔、水干、岩絵具、墨
カナイミユ「新しい洋服もない」
53×72.7×2.1cm
木版画、墨、岩絵具、和紙
和田宙士「形象62『風』」
91×91×2cm
絹本、岩絵具、胡粉、膠、墨
鈴木康太「EMERGE_24」
52×65×6cm
木材、アクリル塗料、純銀箔

因幡都頼「対岸は火事」
45×53×2cm
麻紙、樹脂膠、アルミ箔、墨、岩絵具、水干絵具
外山諒「Loka dhaatu」
116.7×72.7×2.1cm
木製パネルに麻紙、岩絵具、水干絵具、墨、アクリル絵具

因幡都頼|カナイミユ|鈴木康太|外山諒|中西瑛理香|和田宙土 

本展「新しい日本画 - Japanese Modern -」は、伝統的な日本画の技と素材を基盤にしながら、現代の視覚と精神を通して絵画の新たな可能性を探る六名の作家による展覧会です。日本画という言葉は、単なる技法の継承ではなく、自然や時間、存在への感応を媒介とした思考の形式を意味します。本展に出品する作家たちは、それぞれの感性からその形式を解体し、再構築することで、絵画が「いま」をどのように生きうるのかを探求しています。 

因幡都頼は、俯瞰的構図による都市と記憶の再構成を通じて、現代の情報的視覚を日本画に結びつけています。カナイミユは、身体と記憶の断片を柔らかな線と色で編み、個人の内面を普遍的な情感へと昇華させています。鈴木康太は、デジタルの偶発性を岩絵具や箔の質感に転写し、情報と物質、記号と手仕事の関係を可視化しています。外山諒は、光と空気の層を丁寧に重ねることで、時間の流れや感覚の余韻を絵肌の中に留めています。中西瑛理香は、動植物の儚さを象徴的に描き、素材と生命の呼応を静謐に表現しています。和田宙土は、抽象的構成と色面の響きを通じて、日本画が内包してきた形式美と空間意識を現代的に再定義しています。 

六名の表現は多様でありながら、共通して「伝統と現代のあわい」に立っています。素材の持つ記憶を尊びつつ、その内側から現代的な意識を立ち上げること――そこに「新しい日本画」の核心があります。彼らの作品は、過去を否定することなく、未来を模倣することもなく、その間に生まれる緊張と静寂を見つめています。作品の前に立つとき、鑑賞者は絵画を単なる視覚体験としてではなく、時間と感覚の対話として感じ取ることでしょう。 



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